COO代行信國大輔のCOO代行実践録

支援実績100社以上、上場成功実績3社、ベンチャー・中小企業専門のCOO代行が、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。

社員を自由にすることで受ける恩恵のとてつもない大きさ

      2017/05/10

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びりかんの大きな特長のひとつとして「働く場所と時間が完全に自由」というものがあります。

もちろんこのルールは業種・職種によって取り入れるのが難しい面もありますが、とはいえこれだけITが発達した世の中なら、完全とまでは行かないまでも、本当は多くの会社で相当自由に働くことが可能だと思いますし、また多くの会社がそうなってほしいと常々思っています。

というのも、社員の働き方を自由にすることの恩恵が、個人はもちろん、会社から見ても社会から見てもとてつもなく大きいものだからです。

働く人のほとんどが働く場所と時間を自由に選べたとしたら・・・

イメージしていただきたいのですが、もし殆どの会社がこの「働く場所と時間が完全に自由」を取り入れたとしたらどんなことが起きると思いますか?

まず、多くの人のストレスになっている満員電車はほぼ消滅するでしょう。満員電車と合わせて飲食店などの店舗の大混雑もなくなります。テーマパークも曜日問わずに行けますから土日大混雑などはなくなります。

家族との時間が格段に増えます。望む人は毎日家族団欒で食事もできます。共働きなのに夫婦で交互に子供を面倒みながら子育てと仕事を両立することもかなり実現可能性が高まり、保育園不足に悩む家庭が相当減ると思います。多くの人にとって親族の介護も格段にやりやすくなるでしょう。みんなが活躍できる(しやすい)社会の誕生です。

会社は、これまで活用できなかったリソース(主婦や介護の親を持つ人)を活用できるようになることで大きな恩恵を受けます。また社員のワークライフバランスに頭を悩まえることもだいぶなくなります。下手すると労働組合もほとんど必要なくなるかもしれません。

各人の保育や介護の負担が減りますから、政府はそこにまわす労力も税金も減らせます。

異常な都市化を防ぎ過疎化対策・地産地消・メンタル改善

首都圏に無理に住む必要もなくなりますから異常なまでの地価高騰や、地方過疎化もだいぶ緩和され、多くの人が自分の収入に合わせて比較的好きな土地に住むことができます。清々しい自然に溢れた広々とした家に住める人の割合もぐっと増えるでしょう。

国は過疎化対策に頭を悩ませることがなくなり(その分の無駄な税金の消費がなくなり)、会社は定期代などにかかる交通費や住宅手当が大幅に減り、社員(消費者)は家賃が安くなるので生活しやすくなります。

地産地消もやりやすくなります。出荷コストが削減できるので、安くて新鮮で美味しい野菜や果物や魚介類を多くの人が毎日食べられるようになります。一次産業に携わる方々の収入は改善される一方、無駄な食費が減るので消費者側の生活もしやすくなります。農薬や防腐剤などの使用が格段に減り、食事が健康になるので中長期的にみて医療費削減にもつながる可能性があります。高齢化社会を迎えて医療費肥大に頭を悩ませる政府にとっても、とてもありがたい話になります。

それらの人間らしい生活環境は、人々に心のゆとりを取り戻させることになり、確実にうつ病や自殺などの問題を大きく減らしてくれるはずです。国は肥大しているメンタル系に関わる莫大な医療費を削減できます。会社はメンタル系で被る大きな損失(生産性の低下、うつ病による休職での機会損失、精神疾患社員に対する対応費用増大など)を防げます。

活動時間帯が人によってかなり多様になるでしょうから、おそらく深夜電力の活用なども進むでしょう。蓄積しにくい電気を、うまくまんべんなく24時間活用することになるでしょう。もしかしたら原子力に頼らなくても十分国全体の電力が足りてしまうかもしれません。

カギは性悪説から性善説へのシフト

みんなが国中にまんべんなく住む、活動時間の多様化が進むということは、それだけ、一人一人のリソースや国全体の資源を非常に効率的・効果的に活用することになります。それは、ここに書き出せないぐらいの大きな恩恵を個人にも会社にも国にももたらしてくれるでしょう。

じゃあ、なんでそうならないか?

色々細かな理由はありますが、大きくは人が人を信じないからではないでしょうか。人間を性悪説で考えているからではないでしょうか。今の僕らの会社の仕組みや政府の仕組みはそこに立脚していて、だからこそ非効率なのだと思います。

人が人を信じる、人は管理しなくても正常な状態なら良い行いしかしないという意識を持ってはじめて、このような全ての人にとって素晴らしい仕組みへと変換されていくのだと思います。

国全体というと大きくて途方もないですが、まずは自社からこのような変換を取り組んでいけると、それはじょじょに大きなうねりになり、この世界の仕組みを反転させるのだと思います。共感する会社の働き方を変革して1社でも増やしていくことでこの世界の実現を目指しています。

 - 社員も社長も幸せな次世代組織(セムコスタイル、ホラクラシー、サーバントリーダーシップ、ネットワーク型、ノマド)