COO代行信國大輔のCOO代行実践録

支援実績100社以上、上場成功実績3社、ベンチャー・中小企業専門のCOO代行が、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。

びりかん式経営その6:社員へのサポート 社員の自律性・成熟性を高める

      2017/05/04

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社員の自律性・成熟性を高める支援

社員の自律性や成熟性を高める支援は、徹底的に行っています。「恩知らず」な人間や、「身勝手な」人間は、組織を腐らせていってしまうので、そういった人に対しては、徹底的に教育を行う、という面も持っています。

恩知らずや、身勝手というのは、多くの場合「視野が狭い」ために起こります。ですから、社員の視野を広げる教育やコミュニケーションというのは、日常的に大切にされています。

びりかん式経営では、社長はいますが、全員フラットな関係でもあるので「上司が部下を教育する」というような上下関係で成り立つものではありません。「気づいた人が、サポートする」「視野の広い方が、視野の狭い方をサポートする」というものです。※“教育”が好きなメンバーもいれば、好きでないメンバーもいます。「やりたいことをやる。やりたくないことはやらない」が原則なので、他のメンバーへの教育も、基本的には自主性に任されています。

恩知らずや身勝手というのは、例えば「お客様との打ち合わせに遅刻した」ということを悪いとも思わない、というようなことです。しかし、実際には、自分が遅刻してお客様からの心象が悪くなり、それがもとで失注すれば、他のメンバーの給与原資までも減ってしまうわけです。そういった“迷惑をかけている”という図式、関係性、つながりといったものを認識しておくことは、とても大切にされています。

また例えば「Aさんは1時間しか仕事してなくて、自分は10時間かけてその仕事をしているのだから、自分の方が給与分配が多くあるべきだ」というような意見が出てきたら、「Aさんは、その仕事を1時間で終わらせられるように今まで10年間、知識をたくわえ、スキルを磨いてきた。だから1時間で終わらせられてるんだよ。あなたが同じ仕事をするのに10時間かかっているのは、単に知識やスキルがAさんと比べるとまだ未熟だからだよ」といったことを指導することもあります。

人は、みな「正しい」判断をしています。それは、自分の視野の範囲の情報で判断しているからです。視野の範囲が変われば、正しい判断も変わります。ですから、この「視野を広げる」ということは、とても大切なことなのです。

会計の理解

びりかん式経営では、会社としてビジネスをしているので、会計については全員が知識を持てるようにしています。売上・経費・人件費・利益・税金といった基本的概念については、社会人として全員が理解しておくべきと考えています。

また生み出した利益を内部留保にするか、人件費として賞与還元するか、それによって未来がどう変わるかなども、基本的な概念は理解してもらうようにしています。

会計年度1年で賞与還元すれば、個人の所得は増え、生活は一時的に豊かになりますが、雇用の安定性は低下します。内部留保を増やせば雇用の安定性は増しますが、個人所得は低めに抑えざるを得ません。こういった基本的な概念については、組織の全員が理解するようにします。

会計情報はフルオープンですから、社会保険料などにいくらかかっているかなども、全員が知っています。社会保険料も含めて、自分たちで稼がなければならないことが、明確に分かるように可視化されています。

システムシンキング

システムシンキングについても、社内で繰り返し学習し続けています。システムシンキングは「隣の部署とどういう関係があるのか」「短期的な業績と、長期的な繁栄がどういう関係にあるのか」といったことを、理解しやすく可視化してくれる素晴らしいツールです。

システム原型は8つのパターンがありますが、この「基本的によく起こる8つのパターン」を知り自分ごととして捉えられるようになるだけでも、ぐっと成熟性が高まります。

これらの“教育”的要素は非常に重要でありつつ、一方で、「一方的な“正しさ”を教える/教わる構造にしない」ということも非常に重要です。常に、“素朴な疑問”への扉は開かれていて、若手がベテランに、未経験者が経験者に疑問を投げかけることは尊重します。

それが次項の「ガイドラインと対話の重要性」へとつながるのですが、教育と対話が共存するということも、びりかん式経営の特徴の一つと言えます。

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