COO代行信國大輔のCOO代行実践録

支援実績100社以上、上場成功実績3社、ベンチャー・中小企業専門のCOO代行が、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。

びりかん式経営その1:拡大成長を唯一の目的としない

      2017/05/10

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一般的な営利企業の「目的」は、「利益を生み出すこと」であり、その利益を増やすことであり、増やし続けることとなっています。これは暗黙の大前提となっているようなところがあります。

この考え方自体が間違っているわけではないと思っています。

この思想の根本的な背景としては

「利益を生み出すことは素晴らしい。それだけ価値あるサービスを社会に提供できているから利益が出る。利益が伸びるということは、それだけ喜ぶ人が増えているということでもある。そして、利益が増えれば雇用も増やせる。働く環境を提供出来ることも素晴らしい。また利益が増えれば納税額も増える。納税によって社会に貢献することも素晴らしい」

といった考えがあると思います。

これは本当に素晴らしく、つまり究極的には「お客様の幸せを増やしている」「社員の幸せを増やしている」だから、素晴しいんだということだと思います。そして、究極の目的変数はやはり「人びとの幸せ」なのです。

びりかん式経営では、よりストレートに「人びとの幸せ」を目的変数として経営を行います。「利益が増えれば、人々の幸せは増える」という途中式を置かずに、ストレートに「人々の幸せを最大化する」ように考えていきます。

例えば、ある社員が「現在年収800万円で週5日遅くまで働いている」というときに

A.年収1000万円になってより一層忙しくなる
B.年収500万円に抑えて週休3日の生活を家族と楽しむ

があった場合に、Bの方がより幸せであるということはありえます。

そうなった場合「利益を増やせば幸せも増える」は成り立たなくなってしまいます。

びりかん式経営では、社員もお客さまも、同じように大切にします。「うちの仕事をもっと早くやって欲しい」というお客様のニーズと、「自分は週休3日のペースで働きたい」という社員のニーズ、どちらも満たせる道はなにか?ということを考えます。

その結果「このお客様の仕事は、他の会社で対応してもらおう」という場合もあります。

その場合は、もちろんそこで稼げる利益(給与)は減りますから、その分社員は減給扱いになります。そういったことも含めて、「どれが最善か?」を一人一人が責任をもって考え、その判断を尊重する、ということがびりかん式経営になります。

A社員は「もっと仕事してもっと稼ぎたい!」と思っていてもそれも尊重される。

B社員は「仕事量はセーブして、年収も高くなくていいから家族と過ごしたい」と思っていてもそれも尊重される。

B社員が「子供が手離れしてきたから、自分ももっと仕事したい!」と変わってもそれも尊重される。

それは、人びとの幸せを最も大事に考えているからです。これがびりかん式経営の考え方です。

 - 社員も社長も幸せな次世代組織(セムコスタイル、ホラクラシー、サーバントリーダーシップ、ネットワーク型、ノマド)