COO代行信國大輔のCOO代行実践録

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上に立つ人は立派であるべきという幻想その2

      2018/01/31

[2018/1/31 メルマガ配信記事:担当 信國大輔]

出典:写真AC

 

信國です。

年初1発目の記事に引き続き、【上に立つ人は立派であるべきという幻想】についてお話しを続けていければと思います。

最近、Facebookの個人アカウントにてこれについての投稿を何回か行いましたが、割とよい投稿文が書けましたので今回はそれらを3つほどご紹介していければと思います。

いつもと文体が違いますが、これはこれで面白いかと思いますので、そのまま掲載してみます。

 

「会社は社員を守る責任がある」という歪んだ信念

「会社は社員を守る責任がある」というのは実は恐ろしくズレた考えだ。なぜなら社員はプロとして会社に雇われているのだから、たとえ新卒であっても「社員は会社を守る責任がある」が本来の自然な考え方だ。

社長と社員は親子ではない。大人対大人だ。社員は成人した責任ある大人として会社に雇用されている。

決して守られなければならないような弱い存在ではない。その考えは多くの人から力を奪う。主体性を枯渇させ、自責を見失い、創造性を破壊して、従順なつまらないロボットを創り出す。

これは、「上に立つ人が立派であるべき」という幻想から派生した歪んだ信念の1つだ。

正しいかどうかはどうでもよく、大事なのはこれを持っていると結局のところ社長も社員もどちらも苦しむという点だ。

社長にも社員にもこのおかしな幻想から目覚めてもらうこと、そして「社長という天才に依存する集団」から、「本来の責務を思い出した大人の集団」へ会社全体を変革すること、それが右腕代行としてのミッションの1つだ。

 

「うちには研修などの社員を育成する環境がない」という嘆きの本質

「うちには研修などの社員を育成する環境がない」と嘆くのはよくある社員の不満だが、これもまた「上の人は立派であるべき」という幻想から派生した歪んだ考えだ。

これは「社員」じゃなく別の言葉を当てはめてみればいかにおかしなことを言っているかがよくわかる。

たとえばそれを「コンサルタント」と置き換えてみよう。つまり、その嘆きはこういうセリフを言っているのと変わらない。

「御社をコンサルティングする費用として月30万円いただきます。またコンサルが始まったら、私はコンサルスキルを持ち合わせておりませんので、まずは御社の方で私のコンサル費とは別に教育費を捻出いただき、私を研修などに参加させてください。そしたらその知識を使ってコンサルティングしますんで。」

本来プロとして、自分の成長に投資するのは自分自身だ。成人した大人が他者のお金で育ててもらおうというのは甚だおかしい。

まして当たり前という感覚を持つなど言語道断であり、仮に会社が育成費を捻出してくれているとしたら、それは当たり前どころか、大きな感謝と恩義を強く持ち、自分の至らなさを恥じる機会だ。

 

自分の人生を自分で選択し、自分で責任を取るということ

「上に立つ人は立派であるべき」という幻想をもとに、本来大人対大人であるはずの会社に親子の構造を持ち込み、また社員を弱者(つまりは子供)と決めつけて法を整備する政府に下支えされながら、僕らは大量の無責任な大人を排出する社会システムを作り上げた。

しかも、この構造が当たり前のように存在するので、多くの大人は自分たちが無責任である自覚すらない。

そして、大多数の無責任なことに無自覚な大人たちは、先の幻想を盾にして、少しでも自分たちの期待に沿わない行動をする経営者や著名人を、正義の名の下に袋叩きにしてそれが民意だと叫んでいる。

結果、英雄は生まれにくい世の中も作り出した。

 

この構造を誰が悪いのかと批判しても意味はなく、ただ僕ら自身がこの構造によって苦しめられているという結果に着目することが重要だ。

そして、僕のやりたいことは、それを明らかにし、多くの大人の目を覚まさせることだ。

僕は「勉強しなさい」と子供にほとんど言わない。ほぼゼロに等しい。逆に妻はある程度言う。(それでも都心の一般家庭よりはかなりゆるい。)

それに対して、数年前、小学生の娘が僕に「なんで塾行って勉強ばっかしなきゃいけないのさ。お母さんうるさいし。もうやだ。」みたいなことを言っていたので、

「いやなら塾やめたらいいよ。勉強もしなきゃいい。ただ、その先の結果がどうなるかはよく考えて、自分で責任とってね。」と伝えたら、「そんなこと小学生の私に言われてもわかんないよ!」と若干涙目になりながら妻に怒られる以上にひどく嫌がっていたことを思い出す。

自分で選択して責任を取るという怖さの片鱗を感じたのだと思う。

もちろんそれでいい。

その怖さを乗り越えて、それでも自分で自分の人生の選択をし、その結果の全ての責任を取るのが自立ということなのだから。

それは小学生でも高校生でも関係ない。生まれた時からの人間の責任だ。そこからは誰も逃れ得ない。ましてや成人した社会人なら尚更だ。

その会社に入社すると決めたのは自分であり自分以外の誰の責任でもない。不満を言う余地がどこにあるだろうか。

ビジネスの基本的なことを知らないのは誰のせいでもない、自分の勉強不足である。教育体制がなどと嘆く先などあろうはずがない。

 

弱者になるのは誰のせいか?
スキルアップをしない自分のせい以外に誰のせいでもあるはずがない。

 

編集後記

以上、幻想シリーズ3部作でした。

よかったら社員や部下の方にも読ませて見てください。
※あまりに幻想に囚われた他責思考の方に見せると逆効果になる場合がありますのでご注意を。

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