部下の不平不満にどこまで付き合うべきか?
2018/02/07
[2018/2/7 メルマガ配信記事:担当 森川圭]
出典:写真AC
こんにちは。株式会社びりかん、組織コンサルタントの森川です。
前回お伝えしたように、必ずしも社長が育成をする必要はないと考えていますので、今回の話は育成する立場の人=管理職向けに書いています。
部下の育成をする中で、部下の言葉に耳を傾ける、いわゆる「傾聴」が大切であるということはよく聞くところでしょう。
私自身、傾聴は大切だと思っていますが、時にそれが育成する側にとって負担となることがあります。
よくあるパターンとして、
- 建設的な話をしたいのに、不平不満に終始してしまう
- 話が際限なく続いて、聞いていて疲れてしまう
などです。
そこで今回は、【部下の不平不満にどこまで付き合うべきか?】をお伝えできればと思います。
部下の不平不満にどこまで付き合うべきか?
管理職の方と話をすると、こういったことはよくお聞きします。
かくいう私自身、前職時代に部下を指導する中で、『なるべく相手の話を真摯に聞こう!傾聴しよう!』と心がけていたのですが、
傾聴を意識すればするほど、
- 聞いても聞いても愚痴ばかりで疲れる。。
- 誰々が気に入らない、社長が悪い、会社のここが悪いと不平不満ばかりで、聞いていてイライラする
- 延々と話が続き、自分の時間が奪われている気がする
など色々考えてしまい、傾聴することに負荷を感じていました。(傾聴の定義で考えれば、全然傾聴できていませんでした汗)
それでも
- せっかく相手が信頼して話してくれているのだから聞かないと悪いな
- 十分に聞いてスッキリすれば本人のパフォーマンスも上がるだろう
と思って、「がんばって」聞いていました。そう、「がんばって」、つまり無理して聞いていたのですね。
無理して聞いているものだから、知らず知らずの内に、部下に対して否定的な気持ちが生まれていたと思います。そんな気持ちで聞いているものですから、部下も話を聞いてもらえていないと感じていたのでしょう、更に話が長くなるという悪循環に陥っていたと思います。
ある時、これではいかんと思い、意識的に時間を区切るように切り替えました。それでも話が止まらないこともあったのでその時は、「今日は時間がないから、来週の午後のミーティングでまた聞かせて」と次回日程を明示した上で話を終わらせるようにしました。
時間を区切ることで自分の負荷が減り、余裕を持って聞けるようになった結果、部下の話が短くなる、好循環に変えることができました。
傾聴は大切な要素ではありますが、話を聞くというのは時間も手間もかかるものですから、自分のキャパシティを超えないようにするのは大切だと思います。
もちろん、まったく話を聞かなくてもいいという話ではありません。不平不満を聞かせてくれることは信頼の証ですから、ありがたい話ではあります。
しかし自分のキャパシティを超えてまで、それが負荷に感じているならやり方を見直す必要があります。
傾聴をする上で気をつけたいポイント
管理職として傾聴をする上で気をつけたいポイントは以下の3点です。
①不平や不満は信頼の証としてポジティブに捉える
不平不満を言ってくれるのは信頼しているからこそ。しかし話を鵜呑みにせず、まずは一意見として理解する。
②否定せずに受容する姿勢でいる
不平不満を聞いてもらうだけで気が楽になる人もいると知る。話を否定せずにただ聞くだけでも十分に効果はある。
相手の意見と自分の意見とを比較せず、 まずは「この人はこういう意見、価値観なのだな」程度に捉える。
③自分のキャパシティを超えないよう、時間を区切る
自分の仕事に支障のない範囲で留める。
話が終わらなさそうな時は、「今日は時間がないから、明日の昼にまた聞かせて」などといったん話を区切って、次の日程を提案して終わりにする。
結局、人間の集まりである組織である以上、意見や価値観の違いから不平不満はどうしてもなくなりません。逆に不平不満が自分の耳に届かなくなったらそれこそ要注意です。「何を言っても無駄」という空気が蔓延している証拠ですから。
傾聴を意識するということは、相手に対して真剣に向き合おうという気持ちの現われと思います。その気持ちを無にしないためにも、自分のキャパシティを超えないよう注意して頂ければ幸いです。
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