COO代行信國大輔のCOO代行実践録

支援実績100社以上、上場成功実績3社、ベンチャー・中小企業専門のCOO代行が、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。

社内を上手に巻き込んでプロジェクトを進めるには?その2 プロジェクトマネジメントで抑えるべきポイント

      2018/02/21

 

[2018/2/21 メルマガ配信記事:担当 信國大輔]

出典:写真AC

 

信國です。

年明けから事業内容を「COO代行」と変更したのですが、それ以来多くの経営者や役員から声がけをいただき、こんなにニーズのあるサービスだったのかと驚いています。

また、僕のFacebookやびりかんHPを見て、自分もやってみたいという上場企業の執行役員などからも何人か相談を受けていて、ちょっと面白みを感じてます。確かに腕に自信のある人ほどやってみたい仕事かもしれません。そのうち、世の中の経営者を強力にサポートする右腕戦隊「ライトアームズ」を結成できればと思います(笑)

それと本題前に1つお知らせです。年明けからの事業変更に伴い、これまで記事を執筆していた石川と別でやっていくことになりました。ただ、読者の中には石川のメルマガが読みたい方もいらっしゃると思いますので、ご紹介しておきます。
goo.gl/pg4Bt5

 

さて、それでは本題です。

だいぶ前に「社内を巻き込んで上手にプロジェクトを進めるコツ」というテーマで「合意形成(コンセンサス形成)」について
記事を書かせていただいたのですが、今回はその第二回となる「事業推進・プロジェクトマネジメント」のコツをお伝えできればと思います。

 

進まないどころか自然消滅してしまう多くの社内プロジェクト

「プロジェクトを立ち上げたはいいが、なぜかいつもズルズルと遅くなり進まなくなっていく。」

最初のゴール設定や社内合意形成がうまくやれたとしても、その後の適切なプロジェクトマネジメントが出来ていないとそのような事態を招きます。

とはいえ、ベンチャーや中小企業にはプロジェクトマネジメントに関するの知識を万全に備えた人物はなかなかいるわけもなく、それでもなんとか進めるためにやっていることと言えば、上層部が、「どうなってるんだ!リリースはいつになるんだ!!」と怒鳴ってケツを叩くぐらいしかありません。

しかしこのようなアプローチでは実際にはほとんど効果がなく、スタッフもとりあえず、「大変申し訳ございせん!」とその場しのぎに謝るだけで、またしばらくすると進まなくなり、ズルズル遅れたり止まったりして、最悪の場合、そのまま自然消滅してしまいます。

実はこれ、スタッフ側も悪気があるわけではないケースが多く、単に能力不足・知識不足というのがほとんどです。では、どうすればプロジェクトが着実に進められるのでしょうか。

 

プロジェクトを確実に進めるためのポイント

実はこれ、すごく単純なことをきっちり定期的にやるだけでかなり解決します。

まず確実に行いたいのが当たり前のようですが「定期進捗会議」です。毎週か、最低でも隔週でこの会議をプロジェクトメンバで行うようあらかじめカレンダーに登録おいてください。Googleカレンダーなどの繰り返し設定が便利です。

意外と多くの会社が、この定期進捗会議すら行っておらず、たまに経営者が思い出して「あれどうなった?」と聞くと全く進んでいない・・という場面をよく見かけますが、定期進捗会議すらやってないのにそもそもプロジェクトが進むはずがありません。

プロジェクトが完遂するまで死んでもこの定期会議開催を死守するというのが最も重要なポイントです。

 

次に重要なのがこの内容です。

初回に行う定期進捗会議では、具体的なTODOの洗い出しを行います。

たとえば、「ホームページをリニューアルする」というプロジェクトを例にとってみましょう。多くの進まないプロジェクトの場合、「3月末までにホームページリニューアル」ぐらいしか設定されていないのをこれまたよく見かけますが、これでは進みようがありません。

せめて下記ぐらいには具体的に分解してください。

  • ホームページリニューアル原案作成
  • 原案を全員でレビューしフィードバック
  • フィードバックを元に原案修正
  • 原案最終FIX
  • 原案を渡してデザイン会社にデザインカンプ作成依頼
  • デザインカンプ作成
  • デザインカンプを社内レビューしフィードバック
  • フィードバックを元にカンプ修正
  • デザインカンプFIX
  • ホームページのコーディング作業
  • テスト版データのレビュー&フィードバック
  • 最終修正
  • 本番環境へアップロード

これでもだいぶ粗いTODO化ですが、最低でもこれぐらいは分解しないとプロジェクトを着実に前に進ませることはできません。

さらにこれで終わりではありません。このTODOに対して具体的な期限と担当を決めてください。

ここでもよく失敗するのが、曖昧な期限設定や担当設定をすることです。たとえば「3月上旬」や、「担当:営業部」などです。よほどプロジェクト進行に慣れている会社ならともかく、プロジェクトが進まないと悩んでいるような会社は、絶対に曖昧にしてはなりません。

「具体的にだれがいつまでにやるのか?」を明確に設定しましょう。

さきほど出した例にこれを付加すると次のようになります。

  • ホームページリニューアル原案作成(山田:本日〜2/10まで)
  • 原案を全員でレビューしフィードバック(2/11の会議にて)
  • フィードバックを元に原案修正(山田:2/12〜2/15)
  • 原案最終FIX(全員でチェック:2/16)
  • 原案を渡してデザイン会社にデザインカンプ作成依頼(佐藤:2/17)
  • デザインカンプ作成(デザイン会社A:2/18〜2/28)
  • デザインカンプを社内レビューしフィードバック(3/1の会議にて)
  • フィードバックを元にカンプ修正(デザイン会社A:3/2〜3/10)
  • デザインカンプFIX(3/11の会議にて)
  • ホームページのコーディング作業(デザイン会社A:3/12〜3/23)
  • テスト版データのレビュー&フィードバック(3/24の会議にて)
  • 最終修正(デザイン会社A:3/25〜3/29)
  • 本番環境へアップロード(鈴木:3/30)

最低でもこれぐらいのTODO洗い出しと期限設定・担当設定は初回MTGにて行うようにしましょう。

 

そして、これができたからといってもまだまだ安心ではありません。これは単なるスタートにしかすぎません。

毎週or隔週の会議にてこのTODOの進捗チェックを行います。これも1つ1つ、絶対に飛ばしたり曖昧にせず確実に行ってください。そこまでやっても期限遅れは必ず発生します。その場合は、会議内でリスケジュールをやってください。

たとえば、

  • フィードバックを元に原案修正(山田:2/12〜2/15)

が遅れて、

  • フィードバックを元に原案修正(山田:2/12〜2/18)

になった場合は、それ以下のTODOの期限も全て1つ1つ再設定しなおします。

それとこれも重要なのですが、定期進捗会議では外部モニタかプロジェクタにてPC画面を映し出して、PowerPointなどで全員で目視しながら、その場でTODOの書き出し、修正、消し込みを行ってください。

プロジェクトリーダーがこのファイルの管理を行うといいと思います。

間違っても口頭のみで確認するような会議を行ってはいけません。そのようなことをすれば、認識違い、言い間違い、見間違い、聞き間違いを多発させ、どんどんプロジェクトが進まなくなります。

必ず画面を映し出し、口頭確認と画面での目視確認を併用して絶対に認識違い、言い間違い、見間違い、聞き間違いが起きないようしつこいぐらい進捗チェックしてください。

 

人間の記憶力や正確性を一切信用しない

人間というは、「ひらめき」などのように機械にはできないことができる一方で、「いい加減で、不安定で、曖昧で、勘違いし、忘れてしまう」という非常に扱いづらいソフトウェアです。

なのでプロジェクトマネジメントの基本思想として、「人間の記憶力や正確性を一切信用しない!」というのがもっとも着実にプロジェクトを前に進めるためのポイントとなります。

特に日本語は主語が省略できるという曖昧な言語ですので注意が必要です。

「3月20日までに作成予定です。」 →だれがだよ!?
「私が作成しておきます。」 →いつだよ!?

こんな言葉が耳に入った瞬間に不快になるぐらいの気質がプロジェクトマネージャには求められます。

「具体的にそれは誰がいつまでにやるの?」
「なんで遅れたの?理由は? じゃあいつまでにできるの?」
「ほんとにその日までにできるの?ほんと?」

周りのメンバーが半ば苦笑するぐらい細かくチェックし逃がさない。その姿勢を貫けたら、プロジェクトは確実に進んでいきます。

 

さらに良いプロジェクトマネージャの条件としては、そんなに口うるさいのに、でもみんなから嫌われないコミュニケーションができること。

それどころか、絶対プロジェクトを成功させるんだという鬼気迫る情熱で、「この人本気なんだな・・。俺もちゃんとやろう。」と周りを奮起させられる存在であること、というのもありますが、このへんは上位スキルなのでまずは嫌われても着実に進められるベースの能力を身につけるのが第一歩かと思います。

とにかく前に進める力があること。

経営者にとって、これができるスタッフは非常に貴重です。

少なくともマネージャや経営幹部など役職者の方は確実に身につけておいてください。

 

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