COO代行信國大輔のCOO代行実践録

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採用強化のコツ①:ビジョン型採用で未来を創る(後編)

      2018/03/07

[2018/3/7 メルマガ配信記事:担当 藤川瑞木]

出典:写真AC

 

みなさま、こんにちは。コンサルタントの藤川です。

前回より始まりました「採用強化のコツ」シリーズ。全体に共通するコンセプトは、「小手先のテクニックでなく、原理原則をお伝えする」こと。

採用の枝葉で悩むのを卒業して、同じ悩むにしても本筋・王道で悩めるようになって欲しい。そして、採用と事業推進・組織運営が好循環を生み出す会社になって欲しい。

そんな想いで約半年かけてお届けしてきた3部作研修のエッセンスを、こちらの構成でメルマガ読者のみなさまにも丸ごとお届けしています。

 

今回は「採用強化のコツ①:ビジョン型採用で未来を創る」の後編です。

<『採用強化のコツ』概要>
①ビジョン型採用で未来を創る←前回と今回はこちら
②採用・育成の好循環を描く
③採用・育成の好循環を生み出す具体的なテクニック

今回も是非、御社の採用担当のみなさまにお読みいただいてください(^^)

 

前回のおさらい

 

現代は「ソーシャルメディア時代」と呼ばれています。

人と人、人と商品、人とサービスが勝手に繋がり、良くも悪くも隠し事のできない時代。それが「ソーシャルメディア時代」です。口コミが幅を利かせるソーシャルメディア時代においては、いまいる社員の満足度がダイレクトに採用市場に影響します。

特に採用活動において知っておいていただきたいのは、「不満足を招く要因の最大項目が『会社の方針と管理』である」という調査結果があることです。

ここで出てきた『会社の方針』が、すなわちビジョンです。

つまり、「社員満足度 ≒ 採用市場の人気・評価」である現代においてビジョン型でない採用をすると、「会社の実情がビジョンにそぐわないほど社員の満足度が低くなり、採用市場での人気・評価も落ちていく」という負のスパイラルが生まれやすいのです。

 

「ビジョン型採用」とはなにか?

 

では、「ビジョン型採用」とはなんでしょうか?

前回のメルマガの最後で、こんな質問をしましたね。

「採用した人のスキルと性格、入社後に変えにくいのはどちらだと思いますか?」

その質問と合わせて、「どんな人を採用したいか」を考える際、「求めるスキルや経歴」をイメージしがちですが、スキルは入社後に伸ばせても、性格や会社ビジョンへの共感度を後から高めるのは非常に骨が折れますよ、ということをお伝えしました。

この表現は少し甘いので、言葉を変えます。他人の性格を変えるのは「ほぼ不可能」と思っていただいた方がいいです。

性格というのは、その方が生まれてからいまこの瞬間までに経験した、すべての出来事や感情によって形成されています。それを、入社して数ヶ月や数年で変えられると思えるでしょうか。

また、このメルマガをお読みいただいているあなた自身はどうですか?
会社のため、仕事のためなら、性格くらい変えますか?

 

仕事や勤め先を探すとき、多くの人は、「自分の性格にあった仕事を見つけよう」と思うものです。そして、「何に共感するか」には、その方の性格(価値観)が強く反映されます。

他人の性格を変えるのが「ほぼ不可能」だとするならば、「会社ビジョンへの共感度を後から高めるのは非常に骨が折れる」という言葉の意味もおわかりいただけるかと思います。

だからこそ、「ビジョン型採用」なのです。

 

ビジョン型「採用」という言葉を使ってはいますが、「事業推進・組織運営の中心にビジョンを据える経営手法」の一部に「採用」という活動もある、というイメージです。

採用活動のすべてのプロセスにおいて会社ビジョンを明示し、

入社後の業務もビジョンに沿って進み(事業推進の側面)、

育成や評価制度もビジョンとマッチしており(組織運営の側面)、

会社の実情と会社ビジョンのギャップが小さいため社員満足度が高く、

採用市場での人気が上がるためよりよい人材を確保しやすく、

採用活動のすべてのプロセスにおいて会社ビジョンを明示してるため、
採用時点で会社ビジョンへの共感が高く、

入社後もそのモチベーションが続く

こんな好循環を生み出すのが「ビジョン型採用」であり、「ビジョン型採用」が採用も事業も成功させる秘訣です。

 

「ビジョン型採用」のコツ

 

ここまで少し概念的な話が続きましたが、最後に「ビジョン型採用」の具体的なコツをお伝えしたいと思います。

情報発信

まずはホームページ等で自社のビジョンをしっかりと打ち出すことです。それも、美しい言葉だけが上滑りしているようなビジョンではなく、実現している状態がありありとイメージできるビジョンを打ち出しましょう。

「経営理念」「会社方針」などの大きな枠組みだけでなく、お客様の声や社員のエピソードなども重要です。

実際にそのビジョンが実現していたり、本気で実現を目指していることが伝わります。

 

面接での問い

面接では「自社のどのようなところに惹かれたか」を聞きましょう。まずここで「ビジョンへの共感」が示されるかどうかがひとつの関門です。

次に、「ビジョンのどのようなところに共感したか?」を確認します。この時、「本人が経験していないと語れない具体的なエピソード」が出てきたら本物です。ただし、面接時の会話の流れによっては、すっとその話題が出てこないことはあります。

「これまでこのようなビジョンに沿って、自分なりに行動してきたことはどんなことがあるか?」など、「本人が経験していないと語れない具体的なエピソード」を、こちらから突っ込んで質問するとよいでしょう。

 

ビジョン共感度>現時点の能力・スキル

こちらは先ほどお伝えしたとおりです。能力・スキルの高い人材に出会うと、「是非欲しい!」という気持ちにもなると思います。

ですが実際には、能力・スキルが高い人材ほど、ビジョンへの共感度が低いとやっかいな存在になるケースもあります。

なまじ能力があるものだから、上長や周りの言うことに耳を貸さず、社内に不穏分子を撒き散らし…といった光景、みなさんも想像できるのではないでしょうか。

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今回の「採用強化のコツ」は、「ビジョン型採用」の続編をお届けしました。

このメルマガを読んだみなさんの気持ちが少しでも楽になり、御社が「社長も社員もWINWINな会社」に一歩近づくヒントになれば幸いです。

また来週の配信をお楽しみに!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。♪

 

 

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