【中堅・中小企業が抱える問題】不満だらけの職場・・・    社員の不満を減らし、社員満足度・従業員満足度(ES)を高める

【中堅・中小企業が抱える問題】文句や不満だらけの職場

働く人々は本当に色んなことを思います。

「もっと給料上がらないかな」「もっと休みがとりたいんだけど」「忙しいから、新しい人雇ってくれないかな・・・」

現場からこう言った苦情が経営者のところに上がってくると、経営者としてはとてもイラっとしますよね。「何を、勝手なことを言っているんだ。。。」と。そのお気持ちはとてもよく分かります。確かに、勝手なことを言っているのです。

それでも、例え経営側からみたらどんなに勝手な意見であったとしても、その”ひっかかり”を放置したまま、「仕事なんだから集中してやりなさい」と言ったところで、社員の不満が減少するわけではなく、モチベーションもあがりません。

「給料払ってんだから、仕事なんだからやれよ」という一方的な命令、押し付けのなかでは、本当に主体的に集中して仕事をしていくことは難しいのです。




ここでポイントとなるのは、社員が勝手なことを言うのは、実は悪気があるわけではなく(そういうケースもゼロではないですが)彼らの視野が狭く、ちゃんとした経営・会計の知識がないからです。

人が、本当に仕事に集中して、よりよい成果を出そうという姿勢で働くためには、仕事への「納得感」が欠かせません。

けれど、ほとんどの日本人は、会社の仕組みや、会計、株式市場、といったことについて何の勉強もしないまま社会人になります。(個人的には、これは本当に義務教育のなかでどうにかしてほしいものですが。。。)

株式会社というのは出資者がリスクを負って事業資金を出資して設立され、社員の人件費は固定費として支出事項として優先され・・・といったことすらもほとんど理解していません。

労働分配率が、例えば上場企業レベルでどれくらいなのかということも知りませんし、労働分配率を高めることのデメリットやリスクについても、考えたこともないという人がほとんどです。

有給休暇や、社員数が増えること、役割分担や、一人当たり粗利の増減、こういったことについても「???」となることがほとんどなのですが、これでは、プロフェッショナルとして仕事をすることなど極めて難しいのです。

そして、このような知識が十分にないまま、限られた狭い視野の中で、給料や休日、更には会社組織の体制について考え、不満を募らせます。


組織を活性化するうえでは、社員一人一人の視野を広げ、成熟性(会計知識やプロ意識)を高めていくことがとても重要になります。ですから、社員一人一人に、会計などについてちゃんと勉強し、理解を深めてもらうことを我々は強く推奨しています。

実際に、これらの経営・会計的観点を効率よく学ぶ機会を社内で持つと、劇的に社内の不満が減った事例が多数あります。「知らないことが理由で、不満に思う」ということがあるわけですが、「ちゃんと知ったことで、不満が減る」ということでもあるのです。

逆に会計の透明性が低く(ブラックボックスが多く)、お金・会計に対する説明責任を経営陣が果たしていないと、他にどんなよい施策を打っていたとしても、それが組織作りの大きなボトルネックとなってしまうところがあります。

基本的なレベルでの透明性を高めたうえで、社員一人一人の成熟性(会計知識やプロ意識)を高めていく教育も行っていく。そうすることで「組織の土台」が作られていくのです。

【解決策】どうやって社員の視野を広げるのか?

ここでは、弊社の考えるひとつの解決策をご紹介します。

このような視野を広げるため、以前は、びりかん社内でもこういったテーマに対してひたすら対話(ダイアログ)を繰り返すということをしてきました。

しかし、時間が非常にかかるため「もう少し効率的に進められないもののか?」ということをずっと探求していました。クライアント企業内での対話も、もっと効率的・効果的にしたかったからです。

その結果、対話(ダイアログ)ではなく、討論(ディベート)を行うこと、が効果的だということがわかりました。※ディベートとはひとつのテーマに対し、自分の意見とは別に、肯定する立場と否定する立場など異なる立場に分かれ議論を行うこと

そして、ディベートを行う上で、社員の視野を広げやすいテーマとしてたどり着いたのは次の4つです。

1.顧客の視点について
2.人事評価について
3.利益と休暇について
4.利益分配について


これらについて、それぞれディベートを行うだけで、かなり短時間で、一気に、社員に経営・会計の知識を高めてもらえるということがわかってきました。




いくつかの企業で試したのですが本当にぐっと会計・経営感覚が高まります。簡単に言うと「今まで、安易に愚痴とか不満とか言ってたけど、お門違いだったな」という台詞が、社員から出てくるようになるのです。つまり”ひっかかり”が取れるのです。

もちろん、最低限の公正な評価報酬制度・情報共有は、前提となるのですが、それがなされたうえで、この4つのディベートをすれば確実に効果があります。逆に、評価制度・情報共有がしっかりしていても、社員の経営・会計への視点が低い・視野が狭いと、不満・愚痴は止まりません。

※社員の視野を広げるディベートテーマ(4つの問いかけ)の詳細については、弊社参考サービスをご覧ください。

【事例】基本的な会社経営・会計の仕組みを学ぶ機会をつくる

事例1



新人研修で上記のような内容の研修を採用することを決めた会社があります。劇的に会社への不満度が下がりました。(その会社は、社員満足度・従業員満足度(ES)調査のように、年一回の社内アンケートを取り続けていました)

利益は成果で生まれるものであって労働時間で生まれるものではないこと、忙しいからと言って人を増やしたら人件費が増えて利益が減ること、賞与還元を増やし内部留保を減らせば雇用の安定度が下がること、“公正な評価”を行うことがいかに難しくお金のかかることか、などを理解できるよう研修を実施したのですが、効果は抜群でした。

定例の社内アンケートの結果(会社への満足度、給与への満足度、評価への満足度など)は5段階評価で平均約2.5だったのが、平均約4.1にまで向上しました。離職率も下がり、採用・教育コストが抑制でき、業績(売上・利益)は向上しました。




また、ある会社では、これを中堅層以上向けの研修として実施しました。経営陣から「明らかに中堅社員からの、安易な不満が減った」と好評でした。


事例2



ある会社では「うちの会社は社会保険に入っていない」。このたった一つのことで、ある意味全社員が思考停止に陥っていました。その一つのことだけで、経営陣への不信感は根強くなってしまっていたのです。「なぜうちの会社は社会保険に入らないのか」ということの丁寧な説明もない、と社員は感じていたため、会社のお金の流れに多少ブラックボックスがあったこともあり「とにかく経営陣がお金を牛耳っているんだ」という意識がこびりついていました。

そうすると、どんなによい施策を打っても(例えば、素晴らしい研修を実施しても)「結局どうせ、役員陣の懐に入るお金を稼がされているんだ」といった意識が抜けないのです。

全ての会計情報をフルオープンにすることが常に望ましいわけではありませんが、売上、支出、利益、人件費などのある程度の構造は、会社に関わる全員と共有されていることが望ましいです。


事例3



これもある会社では、これまでは「売上・利益の額などは一切公表なし」「社員の給与は、社長の鉛筆なめなめで決まる」という状態でした。それもあって社員の側に「利益の全てを社長が取って私腹を肥やしている」といった意識状態になってしまっていました。仕事に対する責任感もなく、活気のない職場になっていました。

そこで「売上の総額」「粗利の金額」「労働分配率は上場企業並みの40%前後とする」ということを社員と共有しました。加えて、びりかん社にて研修を実施し、会計等の基本的な考え方を学んでもらいました。社員が「粗利を増やせば、給与原資が増える!」というシンプルな構造を理解しやすくなり、不満が減り、責任感が一気に増しました。

そして、他の施策(個人ビジョンを描くなど)の効果もより一層得られやすくなったのです。

【注意すべき点】外部をうまく活用する価値

そして、この教育をする上では、我々の様な第三者がやることが重要であることが経験上見えてきました。どうしても社長が会計の説明をすると「なにか、社長の都合のいいように言われているのでは?」と思われるリスクがあるのです。

社内でやるのが絶対ダメなわけではないのですが、これは社外にやらせた方がいい部類の研修だと思います。

というのは、これは我々のようなコンサル会社のセールストークではなくて、どうしても、残業や利益といったことについて本質的な話を社長自らが社員教育としてやろうとすると「なんか、社長が自分の都合のいいように話をしている感じがする・・・」「正論でいいように丸め込まれたなぁ。」などという誤解を受けてしまうのです。

会計などの話は、非常に合理的で、ちゃんと説明すれば、ある意味誰もが「分かってしまう」ことなのです。しかし「頭では分かるけど、心がついていかない」ということが起きやすい領域でもあります。それを起こさせないためには、丁寧な説明力と、“誰がその説明をするか”が重要になっていきます。


これは例えて言うなら、「親には感謝したほうが良い。なぜなら・・」という話を、親自らするようなものです。たとえどんなに理路整然としていたとしても、やっぱり心情として「うーん。。」ってなりますよね。

しかし、我々のような第三者が伝えると、今のところほぼ100%の社員の方に、「ビジネスということについてとても勉強になった」「今までの自分たちの視野がまだまだ狭かったんだなぁ」と素直に言っていただけます。

さきほどの例え話でいうなら、親自らではなく、信頼できる親戚のおじさんから(あるいは学校の先生から)「子供を育てるために一般的な両親はこんな苦労やこんな努力をしているんだよ。」「子供一人育てるのに数千万かかるんだよ。」とうまく情報提供してもらう感じでしょうか。

社員の受け取りやすさが格段に違うというのは、なんとなくイメージしていただけるかと思います。



【最後に】社員満足度・従業員満足度(ES)と業績

「社長、忙しいから、人を雇ってください。」

このセリフは本当に経営者からしたら、頭を抱える困ったセリフです。ストレートに突っ込みたくなります。私自身は、本当はストレートに突っ込むべきものと考えています。

しかし、立場上難しい、ということはどうしてもあります。

「ディベートなんて回りくどい、めんどくさい」と思われるかもしれませんが、ちゃんとそれをやることで、このようなアホな台詞が社員から出なくなるだけでも、相当社員との意思疎通がスムーズになると思いませんか?そしたら全体の仕事ももっと効果的に効率的になると思いませんか?

断言しますが、社員の目線・視野が経営者に近づいていくと、組織力は確実に向上していきます。ぜひ自社でもお試しください。

【関連サービス】

研修・講座:無料相談窓口よりお問合せください

小冊子:準備中

こちらの記事も参考にしてください

次世代型組織の導入にご興味ある方は下記よりお気軽にお問い合わせ下さい。

お問合わせはこちらから

研修一覧

△ PAGE TOP