一般的な営利企業の「目的」は、「利益を生み出すこと」であり、その利益を増やすことであり、増やし続けることとなっています。これは暗黙の大前提となっているようなところがあります。この考え方自体が間違っているわけではないと思っています。
この思想の根本的な背景としては
「利益を生み出すことは素晴らしい。それだけ価値あるサービスを社会に提供できているから利益が出る。利益が伸びるということは、それだけ喜ぶ人が増えているということでもある。そして、利益が増えれば雇用も増やせる。働く環境を提供出来ることも素晴らしい。また利益が増えれば納税額も増える。納税によって社会に貢献することも素晴らしい」
といった考えがあると思います。
これは本当に素晴らしく、つまり究極的には「お客様の幸せを増やしている」「社員の幸せを増やしている」だから、素晴しいんだということだと思います。
そして、究極の目的変数はやはり「人びとの幸せ」なのです。
次世代型組織では、よりストレートに「人びとの幸せ」を目的変数として経営を行います。「利益が増えれば、人々の幸せは増える」という途中式を置かずに、ストレートに「人々の幸せを最大化する」ように考えていきます。
例えば、
ある社員が「現在年収800万円で週5日遅くまで働いている」というときに
があった場合に、B の方がより幸せであるということはありえます。
そうなった場合「利益を増やせば幸せも増える」は成り立たなくなってしまいます。
次世代型組織では、社員もお客さまも、同じように大切にします。
「うちの仕事をもっと早くやって欲しい」というお客様のニーズと、「自分は週休3日のペースで働きたい」という社員のニーズ、どちらも満たせる道はなにか?ということを考えます。
その結果「このお客様の仕事は、他の会社で対応してもらおう」という場合もあります。その場合は、もちろんそこで稼げる利益(給与)は減りますから、その分社員は減給扱いになります。
そういったことも含めて、「どれが最善か?」を一人一人が責任をもって考え、その判断を尊重する、ということが次世代型組織になります。
A 社員は、「もっと仕事してもっと稼ぎたい!」と思っていてもそれも尊重される。
B 社員は、「仕事量はセーブして、年収も高くなくていいから家族と過ごしたい」 と思っていてもそれも尊重される。
B 社員が、「子供が手離れしてきたから、自分ももっと仕事したい!」と変わってもそれも尊重される。
それは、人びとの幸せを最も大事に考えているからです。
これが次世代型組織の考え方です。