もし、1つでも当てはまる課題があるとしたら、それには理由があります。
そもそも従来の企業組織は「雇用=給与(報酬)」という契約関係を中心として、会社と従業員の関係が成立していました。しかし近年のモチベーションなどの研究にもあるように、金銭による報酬は、社員の意欲を最大限高める方法ではありません。
それでも、この契約関係を中心とした組織作りが、成立してきたのは、日本が右肩上がりの経済成長を続けてきたことが大きな要因と考えられます。しかし、21世紀の現代は、少子高齢化、金融不安などの要因により、単純な右肩上がりの成長を続けることも難しくなっています。そういった逆境の中で、生産性を高め、業績を高める組織作りが求められています。
旧来の組織マネジメントは「会社の命令に従って仕事をさせ」「利益を確保し」「報酬として昇給を与える」という形で行われてきました。このマネジメント手法の今の時代における主な欠点は以下のようなものです。
右肩上がりの成長ではないので報酬としての昇給を与え続けることが難しく、
それだけでは社員のやる気維持が困難。
「命令」されて仕事をするため社員は「やらされ感」が強くやる気が高められない。社員の創意工夫や努力が、企業の競争力の源泉である以上、社員のやる気が高められない組織は、必然的に競争力を失っていきます。
金銭的報酬は「慣れ」がすぐに生じてしまうことが心理学の実験で明らかとなっています。
つまり、給与を上げ続けなければ、やる気を維持させることが困難なのです。
人のやる気を高めるうえで金銭的報酬を活用しようとすれば、利益が枯渇した場合やる気を高められなくなります。
しかし、人間のやる気は金銭的報酬によってのみ高まるわけではありません。
「やりがい」「職場の関係性」といった要因は、むしろ金銭的報酬よりも、人間のやる気を高めることへの影響力が大きいことも、様々な実験より立証されています。
「やりがい」や「職場の関係性」にはリソースの限界がありません。
いくらでも高め続けることが出来ます。
無限のリソースを活用できる手法は、これまでなぜ導入が進まなかったのでしょうか?
その理由は、右肩上がりで利益が出ていたために、昇給を続けることによって社員のやる気を高め続けられたからということ、もう一つは市場や競合の変化のスピードが遅く、経営者が「考え」、社員が「行動する」という役割分担でも、業績を高めることが出来ていたからです。
しかしこれは、高度経済成長に助けられて社員の能力をフル活用しないでも業績を高められたから続いていただけであり、社員の能力をフル活用すればより大きな成果を生み出せていたはずなのです。
では、どうすれば無限のリソースを活用し、社員の能力を最大化して業績を上げることが可能なのでしょうか?
今回、このような組織を創り上げるためのノウハウをセミナーでお伝えしたいと思います。
支援当初10名以下の社員数にもかかわらず、会議ばかりが行われ、経営者が檄を飛ばしてもなかなか結果に結びつかず常に赤字の状況。社員が口々に「方向性が見えない」とつぶやくような関係性。特に縦の相互理解を意識してビジョン共有などを中心に改善対策を指導したところ、じょじょに効果が現れ、5年経過したころには、組織力を活かして株式上場を果たした。
人材に乏しい地方企業。支援当時は社長含め5名の社員で、活力もなく会議をしても誰も意見を言わないような状況。コストをかけて採用しても地方ということもあってなかなか良い人材に恵まれず、採用しては退職が続く。まずは経営者のビジョン創りから入り、じょじょに事業が回り始める。その後、社員数がだんだん増えてきたためワークショップなども定期実施して組織力を強化。現在社員数30名以上で月商5倍に。
社長含めて4名の小さな会社にもかかわらず、日々の会議では意見がバラバラで収束がつかない。結果、ほとんど事業は進まず、1歩すすんで2歩下がるような状況が長期間続いたため、当社に相談あり。相互理解やビジョン共有などと共に、日頃の業務設計なども含めた話し合いのファシリテーションを対応させていただき、結果、「その後プロジェクトがスムーズに動き出し、会議での意見もまとまりやすくなった」と感謝の言葉をいただいた。
当社では、毎月1回のワークショップを実施しているため、通常の企業よりも社員間の相互理解やビジョンへの理解が非常に高い。それがもたらす効果として顕著なのは、特に社員の自主的な動き。入社間もない社員ですら、1ヶ月もしないうちに、他の社員と積極的にプロジェクトに参加して、指示をせずともどんどん改善や発展を繰り返していく。個人の夢と会社のビジョンがはっきりリンクしているため、モチベーションが格段に高い。
大学卒業後、外資系コンサルティングファームに入社。通販企業の事業構築プロジェクト、飲料メーカーの情報戦略プロジェクト、アパレル企業の基幹システム構築プロジェクトなどに携わる。入社2年目に、該当者なしの年もある特別評価を受ける。その後も、電鉄企業のシェアードサービス推進プロジェクト、建設業の職場活性化プロジェクトなどに参画し、成果をおさめる。
その後、ベンチャー企業の経営企画に転身し、全社改革を主導。経営、キャリアコンサルタント、人材、クライアント企業の最適な配置と、情報流通の設計を行い、業界内での自社の地位の確立に貢献。キャリアコンサルタントとしても、年間50名程度のキャリアのサポートを行う。
経営、マネジメントについてもう一段深い修行が必要と考え、組織変革を専門としたコンサルティング会社に移り、広告代理店、保険会社などの組織変革を支援。ここで「ポジティブアプローチ」「ホールシステムアプローチ」といったマネジメントの潮流に触れ「U理論」「AI」「オープンスペーステクノロジー」「フューチャーサーチ」などの理論を学び、実践を深める。
現在は、コンサルタントとして、社員数数十名~数百名規模の企業の変革の支援に主に従事。 支援した企業の、離職率の低下、業績の向上、顧客満足度の向上、労働生産性の向上などを実現している。2年間で企業規模が3倍ほどになった顧客企業もある。大手企業において、管理職研修などの講師も担当している。
ライフワークとして学生・社会人個人のキャリア支援も行っている。 コーチングをベースとして、個別での相談やスクール形式での支援なども実施している。
1977年生まれ。福岡県出身。佐賀大学理工学部情報科学課卒業。
2004年、株式会社ライブドア入社。ネットリサーチ(サーベイ)事業・調査資料販売事業およびビジネスセミナー事業を担当。起業独立やブログ・アフィリエイトなどを取り扱った斬新な企画によりセミナー事業の収益を大きく伸ばす。
2006年、ネット起業家等の独特なインターネットマーケティングノウハウを企業向けに転用するというコンセプトで成果報酬型インターネットプロモーションコンサルティングを手がける株式会社ナノプロに初期メンバーとして参画。取締役就任。その後、数々の上場企業を相手にWebプロモーション支援コンサルタントとして活躍。
2007年、株式会社びりかんを設立。現在、代表取締役。過去の経験を活かし、ベンチャー企業を総合的に支援するコンサルティングサービスを展開中。倒産寸前の零細ベンチャー企業を数ヶ月で年商3億円にするなど実績多数。
2011年よりサーバー保守、システム開発、自律分散協調型組織コンサルティングなどの事業も開始。総合支援サービス会社として成長し続けている。
現在のビジョンは、従来の会社組織とは大きく異なる自律分散型組織を数多くの企業に導入し、楽しく自由に働ける労働環境を世界に広め、それを通して最終的には社長も社員もその家族もみんな幸せになれる世界を実現すること。この一環として自社では、働く場所や時間が自由で副業もOK、上下関係なしで命令なし、各個人の強みに合わせた役割分担、給与フルオープンでアメーバ経営、相互理解研修などを実践している。