サーバー管理上のハードウェア保守契約切れ間近の対策をご紹介します。メーカー製サーバーのハードウエア保守契約期間は5年程度、パーツの保証も7年程度。保守期間が切れる前の対処として代表的な例を3つ紹介します。「システム自体を丸ごと新しくする方法」「ハードウェアのみを交換し、リニューアルする方法」「サーバーシステムを仮想化プラットフォーム上で運用できるようにする方法」について詳細をお伝えしています。
サーバー管理上のハードウェア保守契約切れ間近の対策
現在使用しているサーバーシステムについて、ハードウェアの保守切れが近づいていてそのシステムがそのままでは使いづらいという方向で考えた場合、どのような対処法が考えられるでしょうか。
通常、メーカー製サーバーのハードウエアの保守契約期間は5年程度、パーツの保証も7年程度で切れるものが多いです。保守期間が切れる前になんらかの対処しなければならないわけですが、現在、その場合の対処の代表的なものとしては以下の3つが考えられます。
1.システム自体を丸ごと新しくする方法
2.ハードウェアのみを交換し、リニューアルする方法
3.サーバーシステムを仮想化プラットフォーム上で運用できるようにする方法
の3つが考えられます。
以下に、これらの特徴を簡単に説明します。
1.サーバーシステム自体を丸ごと新しくする方法
古いサーバーシステムを一掃して新しいサーバーシステムで動かします。ハードウェア、ソフトウェア(アプリケーション)を丸ごと新規に構築・開発するわけですから、コスト的には非常に高額になります。また、実際にシステムを使用するユーザー者が新たに使い方などを覚えなければならないという手間もあるでしょう。
ソフトとハードの両方をリニューアルする場合は、まず新しいサーバーシステムを設計、構築し、プログラムを開発し直します。そして、必要に応じて古いサーバーシステムから新しいサーバーシステムへとデータを全て移行します。
この場合、最初にシステム構築したとき以上のコストがかかるとみていいでしょう。例えば、200万円をかけて作ったサーバーシステムであれば、さらにサーバー移行のための費用が上乗せされた額がコストとしてかかるということになります。
2.ハードウェアのみを交換し、リニューアルする方法
ソフトウェアがまだ使えるという場合には、ハードウェアのみ交換するという方法もあります。基本的にハードウェアとソフトウェアの寿命は同じではなく、ハードウェアに寿命がきたとしてもソフトウェアや中のシステムはまだまだ使えるというケースは多くあります。
そこで、コストを抑えるためにもソフトウェアをそのまま生かし、サーバーシステムを新しいマシンに全部乗せ換えて使うわけです。ただ、そこにもいろいろと問題があり、以前のシステム上では問題なく動いていたOSやウェブサーバー、メールサーバーなどのミドルウエアが新しいマシン上ではサポートされていない、つまりうまく作動しないということが起こったりします。
結果、保守切れの前に新しいマシンに移行しなければいけなかったのに、移行はおろか古いマシンに戻ることもできないという非常事態になりかねません。そこで提案したいのが3つめの方法です。
3.サーバーシステムを仮想化プラットフォーム上で運用できるようにする方法
現在のシステムが問題なく正常に動いているということであれば、古いOSでもあまりソフトウェアの変更をしないで使いたいですね。ハードウェアの寿命だけが問題なのであれば、ソフトウェアはそのまま仮想化して使うという方法があります。
物理マシンで動いているサーバーシステムを仮想マシンへ移行することをP2V(Physical to Virtual)というのですが、この場合、VMwareやマイクロソフトHyper-Vなどの仮想化プラットフォームがきちんとハードウェアをサポートしていれば、基本的にはもともと動いているシステムを移した場合でも問題なく作動することが多いので、移行が大変スムーズに行えるというメリットがあります。
もちろん、長期的に見ればソフトウェア・アプリケーションは以前からの古い状態のままですからどこかで刷新しなければいけないわけですが、それは仮想化プラットフォーム上で時間をかけながらゆっくり行っていくことができるわけです。ハードウェアの寿命に左右されることがありません。
また、新しいマシンに古いマシンの資産と新しいシステムを共存させることができるというメリットもあります。新しいマシンを購入し、5年前の古いサーバーシステムを仮想化して搭載した場合、新しいハードウェアなら全処理能力の一部を使うだけで古いサーバーシステムを動かすことができるので、余ったリソースで新しい仮想サーバーシステムを構築し、時間をかけて開発していくことも可能になります(5年前のサーバー1台の性能は、同じ価格帯の最新のサーバーであれば、その処理能力の10%程度で動かせてしまう、という例もあります)。
そして、次のリニューアル時にも仮想化して運用していれば、サーバーシステムはそのまま移行できる可能性が高く、ソフト面の心配がなくなり、ハードウェアだけを新しくしていけばいいということになります。
仮想化プラットフォームを構築し、さらに運用・保守管理をアウトソーシングすれば、コスト的にもリスク軽減等をトータルにコーディネイトすることができます。既存のリソースやハードウェアも生かしつつコストを抑えてサーバーを運用していくことが可能なのです。
具体的にかかるコストとしては、ハードウェアの機械の値段プラス、仮想化プラットフォームの構築費用ぐらいで、移行するサーバー1つにつき数十万円〜といったところです。
費用的には前例の2つよりかなり安く対処できることも多いです。ただ、仮想化プラットフォームの構築そのものはさほど時間を必要しないものの、その後継続して見ていく必要がある部分はいろいろと出てきます。
現在どのような使われ方をしているのかモニタリングをしたり、リニューアルテストをしながらきちんとサーバーが運用されているかを定期的にチェックする必要もあるのです。つまり、運用しながら現状を監視し、将来も見据えたシステムにするには時間をかけて最適な状態にもっていく必要があり、短期間ですべてが片付くというわけにはいきません。
決して安くはない費用を投資して作った自社のサーバーシステムです。少しでも長く有効に使うためにも、仮想化プラットフォーム上で運用する方法を採択することは、コストパフォーマンス的にも大きなメリットとなるのではないでしょうか。
予算の比較
※200万のソフトウェア開発費と200万のハードウェアで構築したWeb-DBシステム見積例
| プラン | 予算目安 |
| 1.サーバーシステム自体を丸ごと新しくする方法 | 200万〜 |
| 2.ハードウェアのみを交換する方法 | 200万〜 |
| 3.現行のサーバーシステムを仮想化プラットフォーム上で 運用できるようにする方法 |
数十万〜 |
それぞれのメリットとデメリット
| プラン | メリット | デメリット |
| 1.サーバーシステム自体を 丸ごと新しくする方法 |
完全刷新のため、問題発生の危険をもっとも少なくできる/必要に応じて同時に機能を拡張したり、最新のアプリケーションを追加したりできる | 完全刷新のため、新たに操作を覚える必要がある/コストと時間が掛かる |
| 2.ハードウェアのみを 交換する方法 |
1よりは安くつく/新たにシステムを構築する必要がないので短期間でリニューアルができる | ハードウェアに依存していた部分などが正常に動かせないこともある/古すぎるOSが、新しいハードウェアにインストールできないことが起こりうる |
| 3.現行のサーバーシステムを 仮想化プラットフォーム上で 運用できるようにする方法 |
コストが圧倒的に抑えられる/既存のシステムがそのまま使えるため、作業者(エンドユーザー)側が新たに操作を覚える必要がない | 特になし |
