COO代行信國大輔のCOO代行実践録

支援実績100社以上、上場成功実績3社、ベンチャー・中小企業専門のCOO代行が、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。

びりかん式経営その4:相互理解を重視する

      2017/05/10

B102_enjinwokumuahirucyan_TP_V

適材適所の最大化

さて、びりかん式経営は単に「自営業の集まりで、保険機能を持っている」というだけではありません。折角組織で仕事をしているわけですから、組織のメリットを最大限活用しようとするものです。

個人ではなく組織で仕事をするメリットは「波の吸収」と「適材適所」です。波の吸収は、要は、保険機能のことです。そしてもう一つがが適材適所です。

例えば研修の仕事をする際に、一人でWebマーケティングもできる・営業もできる・教材も作れる・講師もできるというような万能型であれば、組織で仕事をするメリットは感じにくいかもしれません。しかし、ほとんどの人は、得意不得意・好き嫌いがあるものです。

教材を作るのは好きだけど、営業は嫌い。講師は得意だけど、Webマーケティングは不得意。こういったことは普通にあるものです。

そして、そういう状況の時に「営業が好きなAさんと、教材作りのスキルが高いBさんと、講師が得意な自分」との組み合わせというのは、最高に仕事がしやすいものです。

びりかん式経営では、この適材適所の組み合わせをとても大事にしています。基本的にはやりたいことをやっていきます。それによってチームワークが非常にいい状態が生まれやすいのです。

しかし、「やりたいこと」が重なる場合と、「やりたくないこと」が余っている場合もあります。

こういった場合は、原則としては「やりたいことが重なっていたら、二人でやるか、どちからに任せるか」を当事者同士で話し合って決めます。

「やりたくないことが余っていたら、全員で話し合って“全員やらずに案件全体をやめる”か“誰か頑張れる人が頑張る”か」を決めます。

この感覚に慣れるまでは、話し合いに多少時間を要するところがありますが、慣れてしまえば「あ、この案件は、クリティカルなところで誰もやりたくないのがあるから断ろう」とか「ここは全員ちょっとづつ我慢しあってこの案件の収益を大事にしていこう」とかっていうことが、スムースに合意形成されるようになっていきます。

自然な仲間意識

道で知らない人が倒れていても素通りすることもあるかもしれませんが、家で家族が倒れていたら必ずといっていいほど助けるものでしょう。

それは「助けると給料がもらえるから」とか「助けないと怒られるから」とかというものではなく、自然と起こる気持ちであり、優しさであるはずです。あえて言葉にすれば「助けたいから助ける」「自分にとって大事な人だから助ける」ということであるはずです。

びりかん式経営では、「チーム―ワークを発揮している人を評価し、その分の給料を上げる」といったことはしません。給料をもらわなければ助けないチームワークなんて、本物のチームワークではないと考えているからです。(チームワークを給料で釣るようなことをしても、むしろ内発的な相互扶助精神を阻害することすらあります)

それよりも大切なことは「この人は、自分にとって大事な人だ」と感じられることです。困っているところをみたら自然と「自分ができるサポートをしたいな」と思うことです。この意識状態を組織的に保てるように、私たちは「相互理解」といったものを大切にしています。

 - 社員も社長も幸せな次世代組織(セムコスタイル、ホラクラシー、サーバントリーダーシップ、ネットワーク型、ノマド)