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社員の意欲・パフォーマンスを高めるために欠かせないことは?

      2017/11/15

[2017/11/15 メルマガ配信記事:担当 石川英明]

出典:写真AC

 

これまでにも、組織・社員のパフォーマンスを最大化するためには、主に以下の4つのポイントが重要であることをご紹介してきました。

  1. 共感するビジョン
  2. 適切な難易度設定
  3. フィードバックループがある
  4. チームワークの良さ

今回は、この中の「フィードバックループがある」という要素について、より深く掘り下げ、ご紹介していきたいと思います。

実際にこの部分に着眼し、仕組みを変えることで、部署の問題が改善された企業での実例もご紹介いたします。

 

社員の意欲・パフォーマンスを高めるために欠かせないことは?

自分がどれほど成長したのか、自分の仕事がどれほど貢献したのか。日々、忙しく仕事をしていると、それらをなかなか実感できずにいたりします。

特に売り上げに直結しないような仕事や職種の場合、「自分の取り組んだ仕事が、実際にどれくらい貢献したのか」を組織的に探求することは、後回しにされてしまいがちです。けれど、社員の意欲・パフォーマンスを高めていくためには、「自分は成長している」「自分の仕事は貢献している」と実感できる”フィードバック”がすぐにわかる状態が不可欠です。

「適切な難易度設定」の回にご紹介したチクセントミハイの「フロー体験理論」※の主要素にも、「(目的に対する)迅速なフィードバックがある」が挙げられています。

※フロー体験理論
適切な難易度のものに取り組んでいるときに、人は最も集中し、生産性が高く、学習効果も高くなること。この状態を「フロー状態」と呼んでいる。

 

つまり、自分がやったことが、どれくらいプラスになっているのか、マイナスになっているのか、それが分かるということも、フロー状態を引き出す大切な要素なのです。

自社で働く社員が、最も集中し、生産性が高く、学習効果も高い、「フロー」の状態で仕事に取り組めていたら、素晴らしいですよね。社員ひとりひとりの生産性が高まったら、企業業績に対してもプラスの効果があることは、言うまでもありません。

 

社員に対して”フィードバック”が与えられ、”フィードバック”により社員のパフォーマンスに変化が起こるサイクルを、「フィードバックループ」と呼びます。

この「フィードバックループ」は、自然に起こりやすい職種と、意識的にループを回すよう取り組む必要がある職種があります。

例えば、営業の仕事などは「今月は頑張ったから、売上が伸びた」といった”フィードバック”がすぐ分かるため、それほどこのフィードバックループについて意識する必要がありません。お客様からも直接「ありがとうございました」といったフィードバックをもらえる機会も多くあります。

しかし例えば、経理の仕事などは、こういったフィードバックループが回りにくいため、これが意欲を阻害してしまうことになりやすいのです。

営業という職種に、比較的意欲の高い人材が多いのは偶然ではありません。職種の特性上、

  • ビジョンを描く(よし、今月いくら売上つくるぞ!そしたら賞与も増える!)、
  • フィードバックがある(実際に売れたぞ!売れなかったぞ。。)

と、意欲が高まる要件が満たしやすいのが営業という職種なのです。

 

とはいえ、どのような職種であれ「自分が今月(今週)取り組んだことが、描いたビジョンに対して実際にどれくらい貢献したのか」を実感できる”フィードバック”があることはとても重要です。何も経営として手を打たなければ、「営業しか元気がない」などということになりかねませんが、それは防げるわけです。

しっかりとフィードバックループが回るように、例えば、「ちゃんと上司と部下で振り返りの場を持つ」ということが重要となります。そして、社員が「自分は成長している」「自分の仕事は貢献している」と実感できるようであれば、これはそのまま、社員の意欲、パフォーマンスを高めていくことになるのです。

具体的には、「成長や貢献を振り返る時間・場所を持つ」ことが大切になります。

例えば、週に一回30分部署で「今週、頑張ったことは?」ということを、各人に振り返らせて発表させる。また「隣の人の“ここ頑張ってたよね”という点は?」といった派生形もあっていいでしょう。そして月に1回「今月学んだこと、先月より1mmでも成長したことは?」ということを、同じく振り返り、共有する場を持ちます。

こういった時間を持つことは「直接売上につながる時間」ではないため、ついつい軽視されがちですが、社員の意欲、集中力、ひいては成果を高めるためにはとても大切な時間なのです。

こういった時間が企業業績に対してプラスの効果をもたらすというデータ・実例も報告されることが多くなってきました。(※参考図書「データの見えざる手」)

「フィードバックループを回す」ことで、部署の問題が改善された実例

ある企業のコールセンター部門が、非常に雰囲気が悪く、仕事のミスも多く、離職率も高いというひどい状況でした。コールセンター部門は一般的にストレスが高く、職場の雰囲気が悪化しやすいものですが、この企業では特にそれが顕著でした。

顧客からのクレームに対処する業務時間が長く、特に社内で大ヒット商品が生まれると、クレームの件数はどうしても増えるため「会社全体は喜んでいるが、コールセンター部門だけ葬式のようになっている」という構造が続いていました。そのために、部署間の関係性も悪化していました。

結論から言うと、社内的にしっかりとフィードバックループを回すと、部門の雰囲気がよくなり、全社的な連携がよくなり、離職率も低下しました。

具体的には二つのアクションを強化しました。

一つ目は「上司からのフィードバック」です。自分たちの仕事(クレームに対応する)が、自社にとっていかに重要で大切な仕事かについて、繰り返し繰り返し話をする時間を取りました。

社長が、部門社員へ感謝を伝える場面も用意するようにし「大変な仕事をやってもらっていて、本当に感謝している」ということが、以前よりもずっと頻繁に伝えられるようになりました。

もう一つは、「他部署社員が、定期的にコールセンターに一定期間配属される仕組み」を作りました。1週間程度の短期間ですが、一度は顧客からのクレームの電話を受けることになります。

そうすると「コールセンター部門の人には大変なことをしてもらっている。。。」と肌身で分かるようになり、他部署社員から、自然と丁寧なコミュニケーションが取られるようになりました。

大ヒット商品が出た場合にも「クレームの数は増えてしまってごめんなさい」「対応の積み重ねで、お客様が信頼してくれていてからこそのヒット商品です」といった会話が、自然と他部署から出るようになりました。

 

会社で「フィードバックループを回す」際に気を付けたいポイント

「フィードバックループを回す」というフレーズだけ見ると「ダメ出しする」ということも含まれます。

しかし重要なことは、「成長が実感できる」「貢献が実感できる」ということです。ダメ出し、改善点が見つかる、というフィードバックも重要なのですが、その割合が適切である必要があります。

推奨している割合は「ポジティブ5:ネガティブ1」です。

フィードバックループが回っていても「ネガティブフィードバックが垂れ流されている」状態だと、組織の状態はむしろ悪化してしまいます。仕事のポジティブな面にフォーカスされたフィードバックループが回るように配慮する必要があります。

 

編集後記

 

いかがだったでしょうか。

今回は石川より、組織・社員のパフォーマンスを最大化するポイントのうち、「フィードバックループ」について、詳しくご紹介致しました。

 

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 - 中堅・中小企業における【モチベーション管理】, [執筆者]石川英明 , , , , , ,