社長、あなたの右腕作ります!〜ベンチャー・中小企業経営テクニック集〜

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中小企業の社員の幸せ度を高める経営理念・ビジョンの作り方・伝え方とは?

      2017/12/30

■ビジョンは、社員マーケティングのためにある。

結論から言ってしまいますと、会社のビジョンを明文化するのは社員マーケティングのためです。お客様は、会社のビジョンにはほとんど興味を示しません。もっと具体的な、サービス・商品のベネフィットなりストーリーなりに興味があります。それでも会社のビジョンを明文化するのはなんのためかと言えば、それは社員のために経営者が作っているモノです。

トップの想いを明確化して、実際ビジネス上の効果が現れるのは「社員のやる気が高まる」「社員の離職率が下がる」といった、社員マーケティングの領域です。

「給料払ってるんだから、うちの理念に賛同して頑張って当然だ!」という気持ちも分かりますが、人間の心はそんなに簡単ではなく、給料を払われているだけでは、会社のビジョン・理念に対して無条件にコミットできるわけではないのです。

そういういいでは、経営陣の作る「会社のビジョン」というものは、社員がそのビジョンに触れたときに「そうだ、これが私たちのビジョンだった。よしもう一度ふんどし締めなおして頑張ろう!」と思えないものは、ほとんど意味がありません。逆に、もしそうなっていないのなら、ビジョンを明文化しても、ビジョンとしての機能を果たしていることになりません。

 

■「100億円企業を目指す」というビジョンは機能するのか?

会社の株を持っていて、上場益を得られるような創業メンバーに対してはこういったビジョンも十分に機能するでしょう。しかし、転職が当たり前になった今のご時世で、一般の社員からすると「100億企業になる!」ということは、どうしてもどこか他人事です。

社員一人一人からすれば「この会社は居心地がいいか」とか「この会社で成長できるか」といった観点で【この会社にいるかどうを選んでいる】ものです。

もちろん「100億円企業になる!」ということでモチベートされる社員もいるでしょうが、確率的には多くの社員は「正直、100億いくかどうかは関係ないな。。。」という感じで、コミットメントしづらいものです。「100億円のために頑張れ!」と言われても「それは・・・社長たちの欲ですよね・・・」という気持ちが、心の底では起こっていたりします。

これは、会社員を経験したことのある経営陣の方であれば、体感的に思い出していただけるのではないかなと思います。

 

■ビジョンを翻訳する

例えば「上場する!」という会社の目標・ビジョン(ビジョン・目標・理念といった言葉の細かい定義はここでは取り扱わずにいます)を描いたとします。

では、上場するということは、社員にとってどんな素晴らしさがあるのでしょうか?
例えば
「資金調達できて、会社として余裕ができてくれば、よりアグレッシブにみんながやりたいことを出来るようになる」
「上場企業で働いているってこと自体が、家族を安心させ、誇りに思える」
そんな風に、翻訳されていれば、社員のニーズを満たし、気持ちを喚起していくものになります。

実際には、こういった観点で機能しているビジョンはあまり多くありません。社員たちが、ビジョンに触れたときに「ワクワクする」「ベネフィットを感じる」っといったビジョンを、経営陣は提供すべきです。

 

■機能するビジョンは、大きく二つの観点から成っている。

一つは【事業ビジョン】です。

「~~のお客様に対して~~を提供して、~~になっていただく」といったものです。これに触れることで社員が「そうだ、自分たちの仕事は本当に価値がある、やりがいがある」と思えることが重要です。

 

もう一つは【組織ビジョン】です。

「うちの会社は、働く社員にとってこんな会社でありたい」といったものです。これに触れることで社員が「そうそう、そういう会社でありたいよね」と思えることが重要です。

例えば「休みたいときに休めて、頑張るべきときに頑張れる会社でありたい」というビジョンであれば、「そうそう、そうだよね」と思いやすいですし、「では、自分たちでできることを考えてやっていこう」と、ビジョンにそって考えて、動き出すわけです。

■ビジョンを浸透させていく方法

これらのビジョンを描く、明文化するという際に大前提となるのは「経営陣の心の底から本当にそう思っていること」です。極端な話「俺が金持ちになれればそれでいい」と本音では思っているのに、会社のビジョンでは「お客様を笑顔に」と謳っていても、どうしても日常のコミュニケーションの中で本音の方が滲み出てきてしまいます。つまり「お客様を笑顔に出来ている?」と社員に聞くよりも「予算達成できそうか?」と聞いてしまう。そういう状況では、社員も「なんだよ、”お客様を笑顔に”なんてただのお題目じゃないか」と分かってしまうわけです。

お客様の笑顔を大事にすることが信念なのであれば、素直にそのまま会社の理念として「お客様の笑顔のために」とすればいいわけです。リッツ・カールトン・ホテルなどでは、”We are ledies and gentlmen serving leaies and genltrmen.”ということをとても大事にしているわけですが、本当にそれを大事に思い、「紳士淑女をお迎えする、紳士淑女であったか?」ということを確認する時間を毎日とっているわけです。

日常で業務をする際に、最優先の判断軸となっていること。これが重要です。

もし「お客様を笑顔にすることは大事だ。でも、我々はボランティアをしているのではない。笑顔にしたからこそ、お客様が気持ちよく”お支払いさせて欲しい”と、そこまで言わせることが我々の仕事だ」ということが信念なのであれば、それをそのまま会社のビジョンにすればよいのです。

 

実際に、ビジョンが組織全体に浸透していくのには、具体的なエピソードが社内で語り続けられるようにすることが重要です。人は、箇条書きやキーワードを強く覚えていくことは、ほとんどできません。それは脳科学的にも分かっていることです。逆に「物語」はよく覚えています。ですから、「物語」「エピソード」「ストーリー」といったものを社内に流通させることが重要です。

リッツカールトンでも「こんな状況のお客様がいらした(物語)」「それに対して、私はこういう準備をし、こういうサービスをした。そうしたらお客様はこんなに喜んでくださった(物語)」といった話を、社員同士で語り合う時間をとっており、それによって「私達が大切にしたいこと」ということが確認され続け、蓄積され続けているのです。それによってサービスのクオリティが高いところで維持されて続けているのです。

 

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 - 中堅・中小企業における【経営理念の浸透】, [執筆者]石川英明 , ,